不動産決済の流れ

こんにちは!今回は、不動産決済の流れを司法書士の立場からお話しようと思います。

目次

不動産決済とは

説明も不要かとは思いますが、ざっくり、不動産を買うことです。

多くの場合、不動産を購入する際は金融機関でローンを組むので、決済場所は融資してくれる金融機関の店舗や不動産ローン部門が多いです。

決済場所に、不動産仲介、売主、買主、金融機関、そして司法書士が集まり、今回の不動産売買に問題が無いかを確かめて、お金を動かし、買主が不動産を購入することになります。

司法書士はどんな動きをしているか

司法書士にご依頼してくださるのは、不動産仲介の方の場合もあれば、売主や買主、金融機関の場合もあり様々です。

どなたかから、「何月何日何時から決済がありますが、ご予定はいかがでしょうか」のような連絡を頂き、予定が空いていれば受任し、準備を進めていくことになります。

ヒトの確認

まず、ヒトの確認をします。売主や買主、ローンを組む金融機関、そして売主が現在ローンを組み、担保が付いた不動産の売買であれば、その担保を抹消してから売ることになるため、抹消側の金融機関を確認します。

不動産仲介からのご依頼の場合、各金融機関の連絡先を聞いて、司法書士の方で連絡を取り合うことが多いです。

モノの確認

対象となる不動産についての売買契約書、登記事項証明書、固定資産評価証明書(又は納税通知書)の確認をします。この際、例えば差し押さえがされていないか、担保の上にさらに別の人の担保が付いていないか、売主の住所に変更は無いか、などを確認します。(売主の登記簿上の住所と現在の住所が違う場合、住所変更登記もしなければなりません。)

また、抹消する担保が古い場合、金融機関が合併等で変更されている場合が多々あります。商号が変わっているだけならいいのですが、合併により抵当権等が移転している場合、その登記もしなければなりません。

固定資産評価証明書の確認をするのは、見積もりを出すためです。

現在、土地の売買にかかる登記申請の際の登録免許税は評価額の15/1000、建物の売買は20/1000(居住用に購入する場合は、要件を満たせば3/1000)となります。

御見積を間違えてしまうと、金額にとんてもない差額が生まれてしまうため、本当に注意しなければなりません。

イシの確認

意思確認です。

これは当日することの方が多いですが、本人に事前にお会いして、当日は代理の方という場合も時々あります。

ニュースで耳にしたことがある人も多いと思いますが、世の中には地面師という詐欺師がいます。彼らが本気で騙しにかかっている場合、見破るのは大変難しいです。

ですができる限りのことはして、お客様及び自分の身を守らないといけません。

ご本人にお会いして、運転免許証等の証明書類や、本当にこの不動産を売却するのか等の確認をします。

書類の作成

不動産売買にかかる所有権移転の登記は、必要書類はそれほど多くありません。

司法書士側で作成するのは大体、登記原因証明情報(今回の登記の原因となった事項を記載したような書類)と委任状になります。

あとは売主の印鑑証明書及び権利証、買主の住民票です。(ローンを組む場合は、買主の印鑑証明書も必要です。)

抵当権等の抹消や設定がある場合は、金融機関の担当者と連絡を取り合い、情報を取得の上委任状の作成をします。

担保抹消や設定の登記原因証明情報については、基本的には金融機関作成がほとんどかと思います。(売主、買主の委任状についても作ってくれる金融機関は多いです。)

決済当日

決済当日は、ぜっっっったいに遅刻してはいけないので(当たり前ですが)、早めに決済場所の最寄りの駅に着くようにします。

決済場所である金融機関に早く着きすぎるのは金融機関にも迷惑ですので、10分前くらいに到着するように私は行っています。

それでも早すぎたなと思うことがあるので、5分前とかでもいいかもしれません。

不動産仲介、売主、買主が揃ったらいよいよ決済開始です。本人確認、書類の署名押印、お金の動かすための金融機関伝票の記入が終わったら、「実行お願いします。」と金融機関の方に伝えます。(ここでの確認が、全て司法書士の責任になると言っても過言ではありません。)

このあと、大体1時間30分くらい、お金を動かすオペレーションが終わるのを待つ時間です。登記が終わった後の書類の送り先など、必要な情報をこの時間に聞いておくことになりますが、ほとんどに時間は世間話をする時間となります。

お金を動かした後は

お金がちゃんと動いて、担保抹消をする金融機関の口座にもお金が入ったことが確認できたら(着金確認)、その金融機関に行って、抹消登記に必要な書類を貰います。

決済場所からこの抹消金融機関が遠いと、半日以上時間が必要となることもあるので、登記申請のための時間も考えて、余裕を持たなければなりません。

当日中(17時15分まで)に申請できなければアウトです。

最後に

まだまだ細かい部分で気を付けなければならないことは多いですが、ざっとこんな感じです。

他の業務もそうですが、決済は特に確認が大事ですので、良い意味で慣れることなく続けていきたいです。

おわり。

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