こんにちは。
寒い日もありますが、今年はなんだかあったかい気がしますがどうなんでしょう?
さて今回は、不動産を所有している方が亡くなった際、不動産の登記簿上の住所が、被相続人が亡くなった最後の住所と相違している場合にどうしたらいいかをお話します。
法務局は、登記簿上の住所氏名と亡くなった人の住所氏名を見て、同一人物であるかを判断するので、住所が違っていては別人だと判断されてしまうんですね。
書類の有無によって、いくつかパターンがあります。
住民票の除票のみで住所が繋がる場合
相続登記をする際には、被相続人の住民票の除票というものが必要となります。
これは、被相続人が亡くなったことにより、住民票から「除かれた」ことを証する書類です。
亡くなった時に限らず、引っ越しをして除かれた場合にも取得することが可能です。
この住民票除票には、前住所が一箇所記載されます。(同じ市区町村の場合は複数箇所記載されることもあります。)
登記簿上の住所が、除票に記載されている前住所であれば、この住民票除票1通で住所のつながりを確認できます。
何回か引っ越しされている場合、その前住所を辿って住民票除票を取得し、住所がつながればオッケーです。
相続登記の場合、住所変更登記をすることなく、住所がつながっていることを確認することさえできれば、所有権移転等登記をすることが可能となります。
しかし、この住民票の除票、保存期間が有ります。令和元年頃からは、保存期間が150年となりましたが、それまでは保存期間が5年でした。
つまり、令和元年以前に保存期間が満了してしまった除票については発行してもらうことができません。
この場合どうしたらいいでしょうか?
所有権を取得した際の権利証がある場合
まず、住民票除票を発行してもらえない場合、発行してもらえないことを証する書類として、「不在住証明書・不在籍証明書」という書類を発行してもらいます。
これは、申請した住所地に、住所も戸籍も存在していないことを証明する書類となります。
これで住所をつなげる書類を集める努力はしたものの、発行できなかったことを法務局に伝えることができます。
そして被相続人が所有権を取得した際の権利証がある場合、この権利証を提出することで、間違い無く本人であると法務局が認めてくれるので、これで登記申請可能となります。
権利証は再発行することができない書類ですので、これを提出できるということは、本人に違いないだろうと判断してもらえます。
権利証が無い場合
では、権利証が無い場合はどうしたらいいか?
亡くなった方がご高齢だった場合、所有権を取得してから何十年と経過している場合があります。
そうなると、相続人の方々が権利証を探しても見つからないことが結構あります。
この場合、相続人全員で、「住所は繋がりませんが、亡くなった人は間違いなく登記簿上の人物である」旨の上申書を作成し、署名又は記名押印(実印)し、全員の印鑑証明書を添付することで、本人同一性を認めてもらえます。
この印鑑証明書は有効期限がありません。
また、遺産分割協議書を添付する場合、ここにも印鑑証明書が必要となりますが、この印鑑証明書を上申書に援用することも不可能ではないと考えられます。が、法務局によっては別にもらえと言うかもしれませんので、念のため印鑑証明書は別でもらった方がいいかもしれません。
まとめ
いかがでしょうか?
ご自身がたくさん引っ越しをされたり、権利証の保管場所をご家族に伝えていなかった場合、亡くなった際、相続人に余計な負担をかけてしまうおそれがあります。
そうならないように、引っ越しをされた際は住所変更登記を事前にしておくなり、書類の整理整頓をしっかりしておくなり、できることはしておきましょう。(住所変更登記は令和8年頃までに義務化となりますので、その意味でも住所変更登記を忘れずにしましょう。)
おわり。
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